本記事は、AndroidスマホをPCに接続しても認識しないときの原因と対処法を解説します。
Android端末をパソコンに接続し、データなどのやりとりを行うことができます。これにより、Androidスマートフォンで撮影した写真や動画をPCに保存したり、PCで取り込んだCD音源をAndroidスマートフォンに転送したり、端末の個人情報をPCにバックアップしたりと、何かと便利に使うことができます。しかし、Android端末をPCが認識しなかったり、うまく接続することができなかったり場合があります。そんなときどうすればいいのでしょうか。
今回は、多く使われているXperiaシリーズとGalaxyシリーズを中心に、Android端末をパソコンが認識しないときに行うべき対処法を、わかりやすく詳細に解説します。
USBケーブルの種類を確認
Android端末ではUSB Micro Bだけでなく、USB Type-C端子が多く使われています。
例えばGalaxyシリーズでは、Galaxy S10やGalaxy A30が、XperiaシリーズではXperia 1やXperia 5などの最新機種で搭載されています。
また安価なケーブルの場合、データ転送に対応していない場合があります。この場合は充電ができても、PCとの接続には利用できません。
パソコンやAndroid端末の端子やケーブルの確認が取れたところで、次にPCがAndroidスマートフォンをうまく認識できない原因についてみていきましょう。
まずは考える原因を一覧で示します。
それぞれについて詳しくみておきましょう。
パソコン本体のUSB端子やAndroid端末のUSB端子、あるいはそれらをつなぐUSBケーブルの断線など、物理的な破損によって繋がらなくなってしまっている可能性もあります。
一度同じ種類の別のケーブルで接続できないか試してみたり、PCの違うUSBポートに接続してみるなどの方法を試してみてください。
GalaxyやXperiaなどのAndroid端末をお使いの場合、端末ロックをかけていると思います。この状態でパソコンにスマートフォンを接続しても、Windowsは認識できません。
まずはAndroid端末のロックを解除してみてください。
Androidでは、USBを介して多くの接続機器を扱うことができます。その際、USBで繋がれた機器に対してどの方式で接続するかを設定できるのですが、この設定が間違っていると、PCが認識できなくなる可能性が高くなります。
Androidには様々な接続方法があります。端末の機種や種類によってはない場合もありますが、それぞれ確認してみましょう。
USBでパソコンに接続してデータをやりとりする場合、「ファイル転送モード(MTP)」に設定するのが適切です。
MTPとは「Media Transfer Protocol」の略で、Windowsを作っているマイクロソフトが作った、メディア転送用の規格です。SDカードのデータをやり取りしたい場合は、MSCモードを選択します。
この“USB接続モード”を切り替えるためには、PCとAndroidをUSBで接続した際に、Android端末に表示される画面で設定します。接続すると表示される通知などをタップすると、「USBの使用」「USB接続の用途」といったような画面が表示されます。
画面上の表記は端末のシリーズやメーカー、Androidのバージョンなどによって異なりますが、大体同じような画面が表示されますので、「MTP」や「ファイルの転送」を選んでおきます。
「ファイルの転送」(「MTP」)を選択 画像出典:sp7pc.com
主にWindows PCでは、USBドライバが壊れていたり、Windows OSが未対応のドライバを使用していたりする可能性があります。その場合はドライバをAndroid端末のメーカーサイトから探してダウンロードしたり、ファイルマネージャアプリを使ったりします。ファイルマネ
ジャアプリを使う方法については、次の対策の説明で詳しく紹介します。
パソコンに必要なソフトがインストールされていない場合、PCがAndroid端末を認識しない場合があります。
Windows PCを使っている場合は、②にしたがって「MTP」モードに設定していると、ソフトやアプリがなくても自動的に認識できます。しかし、MTPという規格自体がマイクロソフト製のため、Macには標準で対応していません。macOSをお使いの場合は、「Android File Transfer」というアプリを使わなければ認識されません。こちらのサイトから無料でダウンロードすることができます。
Android File Transferを利用する
原因や、簡単な対処方法をみてきましたが、次にどうしてもPCがAndroid端末を認識しない時の対策方法について説明します。
Android端末が通常の方法では認識できない場合、通常のソフトだけでは対応できていない、あるいはどこかでエラーが起きてしまっている可能性があります。Android端末のメーカーが提供しているソフトを使うことで、必要なソフトも自動的にインストールされるため、うまくいく可能性もあります。今回はXperiaの場合とGalaxyの場合とで、それぞれの専用ソフトのダウンロード方法を解説します。
Xperia 1やXperia XZ3など、Xperiaシリーズの端末を使用している場合、ソニーが提供する「Xperia Companion」というツールを使うと、管理が便利になります。このソフトを使うと、Xperia端末とのデータのやり取りだけでなく、Xperiaのソフトウェア更新やバックアップなども取ることができます。
Xperia Companionを使う
このサイトから、使用しているパソコンのOSに合わせてダウンロードしてください。Windows・macOSの両方に対応しています。
Galaxy S10+やGalaxy A20など、Galaxyシリーズの端末を使用している場合、Samsungが提供する「Smart Switch PC版」を使用します。Galaxyシリーズの端末のバックアップやリストア(復元)などをパソコンで行える他、連絡先の同期なども行えます。
Smart Switchを利用する
このサイトの下の方にある「ダウンロード」の部分から、使用しているパソコンのOSに合わせてダウンロードしてください。こちらもWindows・macOSの両方に対応しています。
どうしてもUSBを通してファイルのやり取りを行いたい場合、開発者向けオプションの中にある「USBデバッグ」という機能を使うことで、PCがAndroid端末を認識するかもしれません。
簡単に開発者オプションをオンにする方法を説明します。「設定アプリ>システム>端末情報>ビルド番号」まで移動します(名称はAndroidのバージョンや端末メーカーにより異なります)。そのビルド番号を7回以上タップすると、「これで開発者になりました!」と表示されます。
開発者向けオプションをオンにする
すると設定に「開発者向けオプション」が表示されます。そのメニューに入ると、“USBデバッグ”という項目があります。こちらの設定をオンにすることで、USBデバッグがオンになります。
USBデバッグをオンにすると、USBで接続した機器から様々な操作を行えるようになりますが、それだけリスクが高まります。銀行系のアプリなど、USBデバッグをオンにした状態では使えないアプリもあります。どうしてもPCがAndroid端末を認識しない場合の、最終手段として利用するようにしてください。
いかがでしょうか。PCがAndroidを認識しない理由は多岐に渡りますが、この記事にまとめられているように、USBケーブルや端子などの見直し、“USB接続モード”の設定変更など、考えられうる原因を調査することで、すんなり接続できるようになるかもしれません。